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SKYRIMの自キャラ妄想保管庫
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「やあ、久し振りだねヴィオレッタ。元気だったかい?」
「……!!」
聞き慣れた声にヴィオラはその足を止めた
木の陰から現れたのは、胡散臭い笑顔を湛えるブレトンの男
「一年以上も行方を晦ましていた君が、まさか今頃になってホワイトランに現れるなんてね。何か大切な"モノ"でもあそこにあるのかい?」
その質問に思わずヴィオラは身を固くする

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「……どこまで、知ってるの?」
男は鼻で小さく笑って答えた
「さぁ?君を見つけたら聖域に連れてくる様言われてるんだけど……」
何の為――問わずもヴィオラは理解する。恐らく待っているのは尋問だろう
「……断ると言ったら?」
 "あの子達"の存在を知られる訳にはいかない
ヴィオラには聖域に戻れない理由があった
「フフッ、そう言うと思ったよ。僕から見たら君はもう既に同胞とは言えない。君もそう思うだろう?それと前々から思ってたんだんだけど……」
男はゆっくりと腰の短剣を引き抜く

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「君も中々良い音色が出そうだからね!!!」
「……っつ!!」
襲い掛かる刃にヴィオラは咄嗟に身体を動かした

――キンッ

金属の衝突音が周囲に響き渡る
間髪入れずに次々と向かってくる攻撃をヴィオラはギリギリのところで躱し続けた
薄く、血が頬と身体中に滲む

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「ほら?どうしたんだい?以前と比べて随分と腕が鈍ったようだけど?」
退屈そうに男が呟いた直後

ヴィオラのダガーが弧を描き男の右腕が宙を舞った

「……!!!」
男が驚きからか、その細い目を見開く
「これで満足?流石の貴方でも腕を生やすなんて出来ないでしょう?さあ、大人しく一人で聖域に……」
切らした息を整えながらヴィオラが男に告げる
その片腕を切り落とせば、命を奪う事無く戦意を喪失させられるだろう
そう考えていた――のだが

「アハハハハ!!流石だよ!!流石だよヴィオレッタ!!!」
男は顔に手を当てながら肩を震わせて

狂ったように嗤った

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「……何が……おかしいの?」
その初めて聞く不気味とも感じる嗤い声に、ヴィオラの背筋が凍る
男が切り離された右手に握られている短剣を拾い上げた
「フフフ……相変わらずだね!!君はさぁ!!アハハ!!忘れたのかい!?」
その尋常ならぬ男の様子に、ヴィオラは一歩後ろに下がり身構える

「僕は……左利きだよ?」

男が静かに呟いた刹那、ヴィオラの首から紅い鮮血が飛び散った
「ぐっ……ああああっ!!!!」
速い!!そう思った直後、ヴィオラの視界が紅一色に染まる
「アハハハハハ!!綺麗に切れたね!!どうだい!?自分が首を掻っ切られる気持ちはさぁ!?」
心底楽しそうに男が嗤う
「リュ……こ……の……」
思わず膝をつき、首筋に手をやると、そこからは生暖かい感触がドクドクと溢れ出す
「さて……と。名残惜しいが最後の演奏と行こうか?」
紅く染まった短剣を片手に男がゆっくりとヴィオラに歩み寄る。その時

「……何をしている」

少し離れた位置から突如、声が響いた
「チッ……人の気配は無かった筈なんだけどなぁ」
男は舌打ちした後、残念そうに眉を潜める
「思わぬ邪魔が入ってしまったけど……まあ、いいや。君の息絶える所が見れないのは残念だけど、その致命傷なら持って……あと僅かだろうからね」
流石の男もこれ以上の戦闘は得策では無いと判断した様だ
片腕を失い、決して少量とは言い難い出血に顔も青ざめていた
「これ、記念に頂いていくよ。良いだろう?彼等に見せたらどんな顔をするだろうねぇ……特に君にご執心だった、あのインペリアル。ああ、想像するだけでとても……楽しみだねぇ?フフフ」
地面に落ちているヴィオラのダガーを男が拾い上げる
ヴィオラの脳裏に良く知った顔が浮かび上がった
「……だ……っ」
拒否の言葉は男に届くことなく、闇へと消えてしまう
「ああ、返答は虚無で聞く事にするよ」
男は笑いながらそう言い残し、その姿を消した

先程の声の主――帽子を深く被った黒ずくめの知らない男がヴィオラの顔を覗き込む

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遠くなる意識の中、藁にも縋る思いでヴィオラは声を絞り出す
「ま……だ……しに……た……ない」

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人の命を奪い続けてきた自分が命乞いをするなど浅ましいとヴィオラは分かっていた
だが、それでも今は生に執着する理由があるのだ
「すまないが、もう手遅れだ。苦しいなら楽にしてやる事も出来るが……」
男はそう言って腰の細剣に手をかける
「こど……も……た……が……」
男はピクリと眉を動かし、しばし何かを考えた後に口を開く
「……一つだけ可能性が無い事も無い。」
月明かりに照らされた男の左目が光る

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「……吸血鬼になるのが嫌でなければ……だが。」
瞳の色を失いつつあるヴィオラにとって、最早選択肢など無いに等しかった

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「なん……でも……おね……が……」
男がひとつ、大きな溜息を漏らす
「……本来、こんな事は望んでは無いのだが……仕方ない」


その夜、沼地の水面には双子月がいつもの様に佇んでいた



ヴィオラが一命を取り留めた際に、何年もの間眠り続けて、目覚めた時には記憶を全て失った吸血鬼ルクレツィアになっていた時の脳内妄想です
お話に登場させて頂いたのは、スイートロール様のリュデル君とたまごボーロ様のファルサさん。どちらも素敵なイケメンフォロワーさんです。
リュデル君がゲスな感じなのは本当にごめんなさい。でもこれくらい捻じ曲がってるキャラが個人的に大好きだったり…(やめなさい)
ファルサさんが「子供」と言うワードを聴いた時に娘さんを思い浮かべるのでは無いかなぁ…と勝手に思ってこういった形にしてみました。

番外編「がんばれヴィオラちゃん

SHORT STORY

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